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物書きの仕事 [日常]

書いてなんぼ。

結局のところ、この一語に尽きる。
噴飯本でも壁投げ本でもいい、とにかく世に作品を送り出す。
自分が書いた文章で対価を得る。
それが物書きの仕事だと思う。

だから……
なんというか……
正直言って……
漫画や翻訳作品を褒められるとなんか違う感満載となる。

だってそれ作ったの私じゃないじゃん……

そんな思いがものすごくある。

原作者なんだから胸張って良いんですよ、と
誰もが言ってくださる。

でもね……

どんな原作であっても、つまらない作品にすることは簡単。
それなのに原作者を唸らせるほどの切り口で
キャラを壊さないどころか引っ張り上げる台詞で
既にある世界と併存できる新しい世界を作り上げる。
そんなことを当たり前のようにやってしまう方々を前に
原作者でござい、なんてのさばる心臓は私にはない。
コミカライズや翻訳に足る作品だと評価していただけたのは
確かに私の力だろう。
けれどそれを超えて、漫画や翻訳を褒められても

ああああああああーーーーーごめんなさーーーい!!

って叫びたくなってしまう。

コミカライズ作品の売れ行きが不調だと(そんな事実はありません)
ごめん! 原作が面白くないものはどうしようもないよね!
とひっそりと落ち込み、好調は好調で(これは事実)
どうせ原作より面白いでしょうよ、なんてやさぐれる。

もうね……なんとしてくれよう、この面倒くさい物書き! である。

そしてこれはきっと、ドラマ化でも同じ。
面白くても面白くなくても、私はいじいじと悩むだろう。
いくら漫画や翻訳、ドラマがヒットしてもそれは私の手柄じゃない。
それを手がけた人たちの努力のたまものである。
 
結局、淡々と書くしかない。

文章を世に送り出し続けている限り
私は物書きでいられる。
逆に、漫画や翻訳、ドラマの出来に頼り始めたら
私は物書きではなくなりつつあるということだ。

原作者は所詮原作者。
それ以上でもそれ以下でもない。
彼らの成功は彼らのもの。
それを胸に刻んで、今日も私はキーを叩く。









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『居酒屋ぼったくり8』刊行報告&五周年御礼 [小説のこと]

とりあえず五年。

『居酒屋ぼったくり』が刊行したのは2014年の5月。
それから延々と出し続け、2017年10月の今、ようやっと8巻。
5年前に半年ほどで書いたもので、その後ずっと勝負し続けることになるなんて
当時は思ってもいなかった。
というか……過去に生きる感満載で情けなくなってくる。
けれど、それも皆様のご支援、ご愛読あってこその話。
ちょうど今月デビュー五周年を迎えた私としては
五年も物書きでいさせていただけたことに感謝するばかりである。

私が物書きとしてデビューしたのは
2012年の10月31日である。
とはいってもそれはデビュー作として上梓した
『いい加減な夜食』の奥付に書かれている日付で
出荷自体は25日頃だったと記憶している。
デビューする前は、書籍化は何かの間違いで
刊行されたとしても一冊限り、記念出版になるに違いないと思っていた。
続刊が決まり、苦しい改稿作業(これは本当に大変だった)を終え
無事に2巻が刊行されても、次はないだろうと思っていた。
それなのに『ありふれたチョコレート』が書籍化となり
『いい加減な夜食3』の刊行が決まり……
ううむ、ううむ、とうなっているうちに『居酒屋ぼったくり』書籍化。

それから先は、もう何が何だかわからない。
気がつけば、あっちこっちの版元に『秋川滝美』担当編集者様がいるという
まか不思議な状況。
皆さん、こんな面倒くさい物書き相手に本当にお疲れ様です、としか言いようがない。
俗に物書きにはデビュー、二作目、二シリーズ目、一年目、五年目……と
様々な壁があるらしい。
だが、私の場合はそんなに大きな壁はなかった……といいたいところだが大嘘だ。
絶対あったはずだが、壁なんて見ている余裕がなかっただけ。
目の前の作業をただひたすらにこなしているうちに五年が過ぎていったのである。
その陰には、背中を押したり、腕を引っ張ったりして下さる人の存在があった
あるときは優しく、またあるときも優しく、とにかく優しい人たちの存在。
優しさには色々な形があるのだと教えられた五年だった。
どっちを向いても感謝ばかり、本当にありがとうございます、という言葉しかない。

デビュー五周年目の刊行作品はこちら。
本日二作揃って(10月20日)出荷となりました。
書店等々でお見かけの際は、是非ともお手にとってご覧ください。

見つけやすいように書影を貼っておきます。
ちなみに左が小説(居酒屋ぼったくり8)、
右がコミックス(居酒屋ぼったくり2)ですので
お間違えなきようお願いいたします。

帯にある企画情報については、印刷ミスではありません(笑)
ですが、これ以上のことについては私にはわかります。
これからおいおい進んでいくと思いますし、時期が来たら版元のほうから
情報開示があると思われます。
小説、コミックス、そしてドラマ……
それぞれが描く『居酒屋ぼったくり』の世界をお楽しみに。
私も、私が書いた話を制作の方々がどんな風に受け止めて下さったのか
とても楽しみです。

ということで、報告並びに五周年御礼でした。
どちらさまも、引き続き秋川をよろしくお願いいたします。


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『放課後の厨房男子まかない飯篇』見本誌到着 [小説のこと]

ちょっと得した気分。

書いた原稿が出版されると
ご苦労さんということで何冊か見本誌をいただける。
タイミングは出版社によってそれぞれだが
早いところは刊行の一週間も前に届けてくれる。
まだ書店に並んでいない本を手にできるのは
やっぱり書いた者の特権だろう。

ということで、見本誌到着。
とはいっても、文庫のほうは既に今日出荷となり
明日あたりには全国書店の店頭に並ぶ予定。
四六版は20日に出荷予定で、21日から店頭に。
例によって『やっておしまい!』な版元さんなので
早々と書影公開させていただく。
どちら様も、この表紙を目印にお探しください。
で、めでたく発見の暁にはぜひぜひお手にとってくださるよう
お願いいたします。

『放課後の厨房男子 まかない飯篇』 1300円(税別) 幻冬舎
『放課後の厨房男子』文庫版      600円(税別) 幻冬舎文庫

 学校の内外を問わず厨房男子はいつも元気いっぱい。
 こい? うすい? あまい? しょっぱい?
 万年空腹男子が繰り広げる珍騒動。
 とくとお楽しみください!



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リバウンド上等 [日常]

疾きこと風のごとく。

忙しい忙しいというのは下品だとは百も承知。
それでも思わず言いたくなるほど忙しい夏だった。
とはいっても、原因はおおむねプライベート。
弾丸旅行や映画鑑賞や家族の夏休みや
同窓会やそのための帰省や終わったあとの打ち上げや……全部遊び(笑)
飛行機やら新幹線やら車やら移動ばっかりで
旅行用の鞄をしまう暇もなかった。
(実はまだ遊び足りなくて期待を込めて今も放り出してある)
それでも大いに楽しく、有意義な夏だったと思う。
少なくとも机に張り付いて
書いては消し、書いては消し、しているよりはマシ。
我が夏に悔いなし! という感じである。

でも、これだけ遊び倒すとつけが回ってくるのは当然
どこに行くにもパソコンを抱えていったし
予定を見越して作業量を決めてあったから
仕事自体に重大な遅延はない。
量のわりに中身が薄いのは今に始まったことじゃないし
八月九月に〆切もない。
旅先で打ち合わせが必要な事態が発生して、
帰宅途中に東京でミーティング……なんてこともあったけど、
それはそれでちょっと売れっ子芸能人みたいで楽しかった。

問題は……旅先で呑気に飲み食いしまくり
おまけに留守ばっかりでろくにジムにも行けなかった結果
ばばーーーんと増えた体重である。

いやはや……人間って本当に楽すると太るんだな……
などと体重計の数字を見つめて大ため息をついたところで
後の祭りがどんじゃらほい、ってなものである。
これから食欲の秋、そして体重増必至の年末年始がやってくる。
少しでも現状を改善しなければと思ってみても
膨らんだ胃も、たるんだ筋肉も協力してくれない。
うーむ……まずい……と冷や汗を流している私の目に飛び込んできたのは
とあるネットニュース。

『肥満は健康に悪影響。ただし関連するのは内臓脂肪量』

本当だな? 信じて良いんだな?
不肖秋川、大デブではあるが内臓脂肪は標準(除く肝臓)
スタイルなんて着る服のサイズがあるうちはアウトオブ眼中。
目下の目標は、子どもが稼ぎ始める前、あるいは作品半ばで頓死しないことだけ。
あとはどーーーーでもいい!

ってことで、ささやかな安心を得た私。
本日も呑気に甘さたっぷりのコーヒーなど飲んでいる次第。
(ほら、コーヒーって健康にいいっていうし!)
どちらさまも内臓脂肪にはお気をつけて。



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『放課後の厨房男子 まかない飯篇』刊行予告 [小説のこと]

書いた順に出るとは限らなかった……

先般記事にした近況報告で、出るのものこの順でしょう、とお知らせしたのもつかの間
あとから書いた方が先に出るという珍事発生。
……誠に申し訳ありません、としかお伝えしようがない。
なんというか、ほんと……大人って難しいわ~の一言。

ということで刊行予告。


*********************************


『放課後の厨房男子 まかない飯篇』 (幻冬舎) 9月21日刊行

 万年空腹状態の高校男子たちは、なんとか空腹を満たさんと今日も今日とて
 大騒動を繰り広げております。
 将来に向けて問題山積みのはずの青春時代。
 にもかかわらず、『てきとー』に過ごしているようにしか見えない彼ら。
 本篇では、そんな彼らの学校外での生活に触れております。
 あの『いじられ専門部長』の大地をはじめ、小麦粉教信者不知火、実は毒舌家の優也、
『キングオブいい人』金森、そして先輩勢の翔平&颯太がどうなったか気になる方は、
 ぜひぜひ手にとってご覧ください!!!!
 
 
 さ、ら、に!!!

 シリーズ新刊発売に先立ちまして、『放課後の厨房男子』が文庫化されます。
 既刊をお読みいただいていない方、借りて読まれた方はこちらもあわせてお願いいたします!!


 『放課後の厨房男子』(幻冬舎文庫) 9月12日刊行 



************************************
 
ぜいはあ……

いつになく、力の入った刊行予告になったのは大人の事情……
と、もうひとつ。
つい先週、郷里で母校の同窓会がおこなわれ
私の学年が幹事を担当、高校時代のメンバーと大々的な再会を果たしたところだから。
この同窓会、出席者が800人越えという大規模なもので
幹事長をはじめとする地元スタッフは何年もの時をかけて準備をしてきた。
郷里を離れているメンバーはそこまでのことはできないまでも
精一杯の協力をし、同窓会は成功裏に終わった。
幹事の中心になってくれていたのはやはり高校時代に『やんちゃ』だった面々。
彼らの活躍を見守りながら、私は『厨房男子』たちも数十年後にはこうやって
同窓会を主催したりするのかな~、目の前の同級生たちみたいに
元気な大人になってくれると良いな~なんて、考えていたのである。
そんなこんなで私の想いがたっぷりこもった『厨房男子シリーズ』
どこかでお見かけの際は、どうぞよろしくお願いいたします。



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近況報告 [小説のこと]

お訊ねいただくことが多いので……

不満は書かない言い訳にはできない。
というか、私の場合、書かずにいられないから書く。
書くことで心身の安定をはかっているので
書かないと本当に(さらに?)おかしくなるのだ。

私の〆切はおおむね2~3ヶ月ごとにやってくる。
そして、必ず月末である。
(中途半端に月中だと忘れるから)
さらに次の仕事の着手は翌月1日と決めている。
つまり30日に書き上げれば31日はお休み(喜)
早く書き上げれば書き上げるだけ、お休みができるというシステム。

これは原則として『仕事を休む』という概念がない私が
なんとか自分の心と体に折り合いをつけるために作り上げたシステムで
このところの旅が、ことごとく弾丸ツアーになっている原因でもある。
(書き上がるかどうかわからないのに予定なんて組めないからね)
29日に原稿があがりそう→じゃあ30~31日は休める、よし、旅に出よう!
もちろん、宿や交通手段が確保できない場合もある。
そんなときは、とりあえず旅行の手配をして二日分の仕事を前倒しする。
旅行中の仕事をあらかじめ終わらせておいて旅に出るのである。

……と、書くと私がワーカホリックのように見えてしまうが
実はそうではない。
なぜなら私は毎日4時間ぐらいしか仕事をしていない。
朝の九時に机に向かい、午後一時にはギブアップ。
午後はプールに浸かっていたり、寝ていたり、ネットで遊んでいたり、寝ていたり。
(家事は? とかおっしゃる方は、秋川をわかっていませんな/笑)
だから週に七日仕事をしていても、実働は28時間
基本的に作業は夜やることにしているから、校正が入ると若干延びるにしても
8時間労働の正社員の方よりもはるかに働いていないのである。
ちなみに、もっと時間をかければいいものが書けるのでは? という疑問はない。
所詮秋川、時間があってもなくてもこの程度。
だから編集担当様がんばってね~と丸投げしまくり(ごめんなさい)

そんなこんなで、今月は28日に初稿を版元に送りつけ
(書いたんだから出せ、という押し売り戦法)本日までがお休み期間。
明日からまた、違うものを書くための鋭気を育成中。
自己評価を高めるためには可視化が必要、ということで
現在の状況を記しておく。(ブログって元々日記だし~)
ちなみにタイトルが明記できないのは大人の事情、お察しください。

【脱稿済み】
   下町の居酒屋話 次巻  再校済み 三校待ち たぶん秋頃刊行
   男子高生が頑張る話次巻 初校済み 再校待ち   〃
   下町居酒屋話  次々巻 脱稿        たぶん来年
【執筆予定】
   おっさん奮闘記次巻   プロットチェック済 8月~
   新作          プロットチェック済 冬                
  

とまあ、こんな感じ。
おそらく出るのもこの順番(書いた順)でしょう。
他にも文庫の予定が若干ありますが、それは私に取っては執筆ではなく作業ですので割愛。
幸いこれまで、書いたものが刊行されなかったことはないので
脱稿した以上、いつかは出るだろうぐらいの気持ちでのんびりお待ちいただけると幸いです。


  


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堪忍袋の緒発見 [日常]

【閲覧注意】不満の垂れ流しです。





性格が変わったわけではない。

自分で言うのもなんだが、私はとても狭量である。
自分にはどこまでも甘く、他人には密かに厳しい。
だが、この『密かに』の具合が年々ひどくなっている。
正直に言えば『どうしてくれるんだこの野郎!(失礼)』と思っていても
とりあえずその思いに漬け物石を抱かせ、心の海に沈める。
何食わぬ顔で『仕方ないですね~』なんてお茶を濁す。
でも、沈んだだけでなくなったわけではない。

ここ五年ぐらいのおつきあいの方々の中には
もしかしたら私のことをとてもできた人間だと思っている人が
いるかもしれない。(いないかもしれない)
だが、きっぱりはっきり言い切ると、それは虚像だ。
私が私自身と仕事を守るために作り上げた嘘秋川である。
私が商業物書きになる前に書いていたブログをご存じのかたは
それについてよくおわかりだと思う。
過去の私は、ありとあらゆるものについて文句を言っていた。
美味しくなかった名産品、面白くなかったドラマ、金返せと思うような本
政治にも、人にも、気象現象にすら……
そして、私の本質は、何ら変わっていない。
ただそれを表面化させるには、リスクが多すぎるので封じている。
それだけのことである。
そのあたりを皆さんよく覚えていてね、という感じ。

なにが言いたいかというと……巨大な漬け物石登場(爆)

ということで、私は今、けっこう不満。
有り体に言えば、もう勘弁してくれ、という感じ。

……というようなことを書くと、なにがあったんだ!? と
思われるだろうけれど、これは昨日今日のことではない。
積もり積もった不満、行方不明だった堪忍袋の緒が目に付いた。
それだけの話である。
お目汚し失礼、とっぴんぱらりのぷう。




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弾丸ツアー再び ③ [日常]

アドバイスに感謝。

誰かとの道行きならば相談が出来るが
ひとり旅の場合は全部を自分で決めなければならない。
かといって、私に観光ガイド並みの知識があるわけもなく
旅のお供に選ぶガイドブックはいつも『軽くて小さい』が基準なので
内容もわりと軽くて小さい(苦笑)
主だったところはそれで十分だし
そもそも弾丸ツアーなのでそれ以外を回る時間もない。
とはいえ、せっかく旅に出たのだから
穴場的などこかに寄ってみたくなるのが人の常。
そんなときは人に聞くのが一番……
ということで、私はけっこうそこらの人に話しかける。
(ただし、相手はプロ、ホテルマンとかお土産屋の店員さんね)

今回の旅では、二日目の天候が今ひとつだった。
予報では1日目も危なかったのだが、そこはなんとか回避
でもそこで晴れ女は力尽き、翌朝はどんより曇り空……
晴れていれば日本海のほうまで走ってみるつもりだったが
この曇天の元では海もきれいに見えないだろう。
昨日青森で海は見てきたし、十和田湖自体が海みたいなものだ。
日本海は先般の出雲ツアーで見たし、今回は諦めることにした。

となると困ったのは時間のやり場。
奥入瀬、八甲田山、青森は済みマーク付き
弘前まで行って秋田の空港に戻るのはちょっと中途半端。
(お城も修復中らしいし……)
迷った末に、チェックアウトのときにフロントで聞いてみた。

秋川   『夕方まで時間があるんですが、どこか観る場所ありませんかね』
フロント 『うーん……奥入瀬とか?』
秋川   『昨日行ってきました。ちなみに八甲田山と青森も』
フロント 『(暴走族かこいつ……的な眼差し)そうですか……』
秋川   『田沢湖とかどうでしょうね?』
フロント 『風景としては、こことあまり変わらないようですが……』
秋川   『確かに……じゃあ……?』
フロント 『お芝居とか興味ありませんか?』
秋川   『芝居……??』
フロント 『小坂って町でお芝居が観られるんですが、そこならお天気は関係ありません』
秋川   『なるほど……』

ということで、目的地決定。
朝一番(8時50分)の遊覧船で十和田湖を一回りしたあと
(なんとこれが乗客三名!)
目的だったお酒をゲットし、小坂町へ。
着いた先にあったのは、道の両端に並ぶ幟の数々。
そして、午前中の公演を終えて外で挨拶をしている
役者の皆さんだった。

着物にカツラに白塗り
美しい女形に群がるファン(?)のおばさま方。
言ってはなんだが、ここにこんなに立派な
芝居小屋があるなんてまったく知らなかった。
(ただしこれは私が無知なだけで、あとで聞いたら
夫はちゃんと知っていた)

チケット売り場で確かめると午後の公演は12時30分からだという。
とりあえずチケットを買って入場。
予約客らしき方々は、桟敷でお弁当など召し上がっている。
飛び込み客の秋川にお弁当があるわけもなく
項垂れかけたところに案内の黒子さん登場。

「おうどんやおそばは座席で召し上がっていただけますよ~」
はい、ありがとう。いただきます。
ということで、またしてもお店のお姉さんに尋ねて
おすすめの「アカシアの花の天ぷらそば」を注文。
駅そば並みの柔らかさだろうという予想を大きく裏切る
つるつるしこしこの美味しいそばと薫り高きアカシアの天ぷら。
ほほーアカシアの花って食べられるのね、と頷きつつ完食。
ちなみにこのおそば、なんと一杯500円。
コスパ最高の昼ご飯となった。

食後、この会場の最年少は私ではないか?
という疑いを抱きつつ、開演を待つ。
待っている間に、お土産を売りに来た黒子さんの口上が面白くて
まんまとおまんじゅうを買わされてしまったのはご愛敬。
(たっぷり栗いり、にしては栗はまばらだったが美味しかった)


12時半、賑やかな音楽とクラブのようなライト攻撃の中
ミュージックショースタート。
以後、演劇やらファンサービスやら、踊りやら
飽きるのではないかという心配をよそに
まったく退屈しないままに70分が経過。
最後に登場したのは天女。
これ本当に男性なのか??? と衣装を引っぺがしたくなるも
なんとか思いとどまる。
(犯罪だし、天女が戻れなくなるしね~)
しーんと静まりかえる場内のあちこちで
ご祝儀を回収して(笑)天女は天に戻っていった。

というわけで、人生初の『大衆演劇鑑賞』終了。
いやはやいいものを見せていただいた。
宝塚には嵌まらなかったが、大衆演劇の女形には嵌まりそうな私。
ようするに、根本的に男が好きってことか? と迷いつつ
明治から続く鉱山町、小坂町をあとにした。


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弾丸ツアー再び ② [日常]

車は走るよどこまでも。

樹木の美しさを語るとき
あるいはそれを観に行くとき
紅葉を選ぶか新緑を選ぶかはそれぞれであるが
私は圧倒的に新緑派である。
(単に緑色が好きなだけかもしれない)
かねてより東北(奥入瀬)に行きたいと思っていたが
行くなら新緑の季節にしたいとも思っていた。
幸い機会を得て赴いた奥入瀬は見事に新緑の季節
(幾分新緑と言うには遅めかもしれないが)
滔々と、なんて静けさとは無縁、怒濤の流れと
木々の美しさに感無量だった。

正直、奥入瀬という場所は私が住むところからは
かなり行きづらい。
新幹線は北海道まで通じていても
その最寄り駅から奥入瀬までが長い。
今回私が降りた空港からですら車で二時間近くかかるのだ。
それでも行った。
遥か昔、1000ピースのジグソーパズルで作った風景が
本当に現存するのかこの目で確かめたかったから……

空港から二時間、駐車場から1時間近く歩いて
辿りついた奥入瀬渓流の阿修羅の流れはまさにパズルのとおり。
私がパズルを作ったのは四半世紀以上前なのに
寸分変わらぬ豊かな緑と水の流れがそこにあった。

誰もがどこかで見かけたことがあり
「あーあれね」と頷く風景を見に行く旅。
風景に限らず、絵でも、人でも、なんでも
映像ではなく、この目で見る。
「あーあれね」を「これがあれか」に変えるための旅は
ちっぽけな私の人生をほんの少し輝かせる。
生きててよかったなあ……なんて思わせてくれる。

奥入瀬を二時間ほど歩いたあと
レンタカーを駆って八甲田山へ。
六月だというのに雪が残る山肌に
無謀かつ無能な指揮官の下、失われてしまった命を想う。
しばし瞑目のあと、案内所の方の助言に従って青森へ。
実は夕食を弘前でと思っていたのだが、青森のほうが近いとのこと。
弘前城が見たかったためしばらく迷いはしたものの
なんせ私は稀代の端っこ好き(意味不明)
青森は本州の端っこだからやっぱり見ておきたいということで北上。
その時点で、時刻は16時。
これは夕食を取るだけで終了だろうな、と諦めつつ青森市に到着すると
なんとまだ三内丸山遺跡に入れる時間……
(てか……どんだけぶっ飛ばしたのさ、秋川)
これ幸いとだだっぴろい遺跡内をあっちにいったりこっちにいったり
途中で「蛇が出ました」なんて注意書きを見て
それは巨大なのか、それとも毒蛇なのか? そこんとこ詳しく! などと突っ込みつつ
これ以上歩けぬ、と悲鳴を上げる足に従って見学終了。

その後、青森港を見下ろせるビルで夕食。
まだ18時にもなっていない時刻だったため店内は閑散としていて
これまた幸いと、お茶を運んでくれた店員さんにおすすめを確認。
「海鮮丼がよくでますねえ」と東北独特のイントネーションで言われ
素直に注文。
陸奥湾を見下ろしながらいただいた新鮮な魚介類たっぷりの海鮮丼は
よくここまできたね~と褒めてくれているような味だった。
惜しむらくは車だったためにお酒が飲めなかったことだけど
車だったからこそ重さを気にせずお酒を買うことが出来たのだからよしとする。

ということで、その後また二時間かけて十和田湖にもどり
宿の露天風呂で汗を流した。
お土産に買ったビールを飲みたいと思う間もなく爆睡。
かくして本州の真ん中あたりから端っこまで移動した1日目終了。
いつもながら実に忙しい旅である。(つづく……たぶん)

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弾丸ツアー再び [日常]

東日本制覇。

本当は違うところに行くはずだった。
とある作品の取材のために、某男子高校生大騒ぎの話を
大車輪で書き上げ、無理やり一泊二日の時間を空けた。
ところひょんなことからその取材の必要がなくなってしまった。
単なる観光として行く手もあるが、それなら別にその地に行くことはない。
なぜならその地は、実は私の父方の本家があるところで
幼少のころからの縁の地だったからだ。
だからこそこの地の話を書きたかったのだが
まあそれは次の機会を待つということで……

書けなかった物語を思いつつの旅はあまりにも辛いし
せっかく開けた日程、無駄にするのも悔しいので旅に出ることにした。
行く先なんて考えるまでもない。
前回の記事でも触れたが、今年の私の目標は東北と九州。
五年ぐらい住んでいたから冬の東北の厳しさは知っている。
できればちょっと遠慮したいし、東北の新緑は必見。
かくして行き先は東北と決定し、宿やら交通手段の検索開始。
最近は新幹線が便利になったので東北だって楽勝だ!
なんて気軽に考えていたが、やっぱり距離は距離。
一泊二日で回れるところなんてたかがしれている。
うむむ……となっていた私の目に飛び込んできたのは飛行機プラン。
要するに朝一番でばびゅーんと東北に飛び
翌日の最終便で戻ってくる。
宿とレンタカーまでついたプランのお値段は
新幹線を使う場合よりもレンタカー分だけ安い。
新幹線ならどう頑張っても昼過ぎにしか着けないのに
飛行機なら朝の10時には現地入り……
迷うことなく予約ボタンをクリックし
ホテル、飛行機、レンタカー、すべての手配が五分で終了。
ああ、旅をするのも本当に楽になったなあ……としばし感動。

ということで、一昨年の出雲に続く飛行機&レンタカーの旅に出発。
目指すは東北、本州の端っこ。
天気予報は雨だけど、なあに私は天下の脳天気、もとい晴女
そんなに心配することもなかろう
とばかりに鼻歌交じりに出かけた先の風景はこちら。

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おや……ここは本州の端っこじゃないのでは?
とお思いの方は大正解。
私が行きたかった場所は、ここ(秋田)から入ったほうが
近いってことらしい。
秋田もちゃんと見たことがない私としては一石二鳥。
ほけほけと喜びつつ車を借りて一路北へ。

自宅の最寄り駅を出発したのは午前7時。
羽田経由で秋田に着いたのは10時5分。
お天気はこんな感じ、晴れ女の面目躍如。
ここから一泊二日の大移動が始まった。(つづく……かなあ)

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