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自信なんて持てない [日常]

不知を知る。

私が書く話の登場人物、特にヒロインについて
「こんなに能力が高いのにこの自信のなさはおかしい」
と言われることがある。
不思議を通り越して嫌みですらある、とも……
私は、そんな意見を拝聴する度に
そういうものかなあ……と首を傾げていた。

能力があるすなわち自信があるというのは
ただの思い込みじゃないのか?
というよりも、能力が高ければ高いほど
自信なんて持てなくなると思う。
実るほど頭を垂れる稲穂かな、という言葉があるが
あれは意識的に謙虚になっているのではなく
どうしてもそうなってしまうのではないか。

だって、能力があるということは
もともとものすごく才能に恵まれている場合を除いて
かなり真摯な努力の積み重ねの結果だろう。
そしてそんな努力の過程で必ず出会うのが
自分よりも優れた人々である。
あの人にはどうやっても敵わない……
その世界を知れば知るほど、そんな存在が増えていく。
もちろん、自分についても、どこかで誰かが
そんな風に思っている可能性は無きにしも非ずだが
たいていの場合、そんなことに気づきはしないのだ。

追いつけ追い越せならまだしも
追っても追っても追いつけない相手ばかりを見ていれば
自信なんて湧いてくるわけがない。
ああ、どうしてこうも駄目なんだ私は!
と我が頭をぽかぽか殴りつけたくなる。

ひとつの知識を得れば
その向こうにある知識が見えてくる。
ひとつの技術を得れば
それを使ってなすべきことが見えてくる。
道は果てしなく続き、ゴールは決して見えない。

ということで、私が作り出すキャラたちは
常に自分に自信がなく、足下ばっかり見つめている。
世の中には、そういう人間、リアルでもけっこういるはずなんだけどなあ
と、思いつつ、本日もぱたぱたと執筆している次第である。



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人生のご褒美 [日常]

変わらないね、よりも嬉しい言葉。

一泊二日で郷里に帰り、懐かしい人々との再会を果たした。
なんて書くと、ちょっとかっこいいけれど要するに同窓会
実は私が卒業した高校は大変卒業生の多い学校で
人生において二回ほどしか幹事が回ってこない。
一回目は副幹事で、それから干支一回りで本幹事。
その本幹事年を来年に控えて、今年、私たちの学年は
様子伺いをかねたご挨拶に当たっていた。
郷里にない人間にできることなどほとんどないけれど
それでもみんなに会いたくておめおめと参上。
楽しすぎる時を過ごさせていただいた。

同窓会で一番良く飛び交う言葉は
「変わらないね」ではないかと思う。
今回も、「秋川って本当に変わってない!」と
たくさんの人から言われ、えへへ……なんて笑った。
そんな中、ふたりの人から、
「変わったね」という言葉をいただいた。
ひとりは同級生で、高校生時代には全く交流がなかった人。
その人に言わせると、当時の私はとてもとんがってみえたそうだ。
ストレートに言えば『怖いタイプ』で、とてもお話ししたい相手ではなかった。
でも、何十年もの時を経て、再会して言葉を交わしてみると
なんだかとても良い感じ、だと言う。
大人になって、丸くなったんだねえ……なんてにっこり笑って宣った。
まあ、相当きこしめしていたから、どこまで本気かわからないけれど
たぶんあれは褒められていたのだろう。

そしてもうひとり。
これはもう、私が高校時代から信望してやまない先輩。
この人について語り出すと、私は本一冊ぐらい書いてしまいかねないので
この際それは省略するが、とにかくその人から、
「君が昔からいろいろ書いていたことは知っていた。でもそれは決して
こんな文章じゃなかった。もっと独りよがりで中二病的なものだった。
けれどこれは全然違う。文章が成長するなんて思ってもみなかった」
と言われた。
実は、その方はとても多忙な方で、すでに実家も地元になく
まさか今回参加されるとは思ってもいなかった。
会場で声をかけられ、絶句のあと絶叫に変わったほどだ。
そして直ちに、鞄の中にあった拙作を進呈。
シリーズ物の途中巻という先輩に進呈するには相応しくないものだったが
とにかく、その方に今の私を伝えたくて押しつけてしまった。
先述の言葉は、それを読んでの感想だった。

渡された本をその場で読んでくださった。
それだけでも十分嬉しかったのに
その文章とかつての私の文章の比較まで……
それができるほど、昔の私の文章を覚えていてくださったのだと
涙が出るほど嬉しかった。

この人に認められたい、と思いながらも諦めていた。
確固たる信念を抱き、困難な目に遭ってもへこたれない。
それでいて、下げるべきところではきちんと頭を下げられる人。
私はこれまで出会った中に、そんなひとはごくわずかだ。
ひとりは執念でしがみつき、まんまと夫にしてしまったが
難を逃れたもうひとりは世界規模で走りっぱなし、
遠く離れたところからそっと窺うことだけしかできなかった。
そんな方からいただいた言葉は、昔と違う私を褒めるものだった。

『変わらないね』というのは私にとって褒め言葉だ。
これはもう間違いない。
けれど『変わった。しかも良くなった』と言われること
しかも認めて欲しくて仕方がない相手から言われることは
これまでの人生に対する大きなご褒美だと思う。
『変わった』ことを喜び、褒めてくださる方々のためにも
これからも努力を重ね、新たな自分を作っていきたいと思う。
そしていつか、私自身が、誰かにとっての「認められたい相手」になりたい。
道は相当険しそうだけど、志だけは捨てまいと思う次第である。



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