So-net無料ブログ作成
検索選択

未完の大作製造器 [小説のこと]

業務連絡。

某社秋川担当編集様
毎日せっせとキーボードを叩いておりますが
18万字になんなんとしても話が落ちませぬ。
私の書くものは概ね13万から14万字でひとまとまりですが
短編一話分超過してもエンディングに至っておりません。
その上、大詰めに持ち込まなければならないところで
とんでもない別ルートを思いつき脂汗がしたたっております。
かくなる上は、秋川自ら国外逃亡……
と思ったら、パスポート切れてた……orz

というのはリアルな話ですが(冗談とちゃうんかい!)
秋川の場合、大変良くあることです。

ストーリーをあれもこれも突っ込みたくなって収拾がつかなくなり
でやでやと無理やり書き上げた挙げ句
片っ端から削っていく。(号泣と共に)
もちろん、執筆途中でも書いては捨て、書いては捨て、しているので
ひとつの話を書き上げるために倍とまでは行かないまでも
1.5倍ぐらいの文字を叩いていることになる。
削った文章を移したファイルを振り返る度に、
なんという労働生産性の低さ! 項垂れてしまう。

時には自分で削りきれなくなって
編集担当さんに「いらないところ捨てて」と丸投げもする。
気の毒な編集担当さんは、だらだらと締まりのない文章を
必死こいて削ってなんとか形にしてくれる。
時には、いらないところは山ほどあるのに
肝心なところが描写不足でわけがわからない、なんてことも。
そのたび、編集担当様(筆者校正『さん』→『様』)は
ものすごくすまなそうに『ここらあたりをもう少し……』
なんておっしゃるわけである。
そんな工程を何度も繰り返して、ようやく秋川の話は出来上がる。

けれど、編集担当様から見た場合
これは本当に面倒くさい作業だと思う。
毎日毎日、書けない書けないと騒ぎまくる物書きを捕まえて、
呑ませて食わせて書かせるよりはマシかもしれないが
書くには書くがそもそもなっとらんという物書きも相当質が悪い。
昔の文豪など誤字脱字ですら恥だといった人もいた。
そんな人にとって編集者校正が入るなんて論外なのだろう。
私は超平成デビュー(謎表現)の物書きなので
昔の文豪と比べるのもおこがましいのであるが
感覚としてはどっぷり昭和で、文豪寄り。
『それが編集の仕事だろう、ごらあ!』なんて居直れるわけがない。
またしても、だらだらと書き散らかして申し訳ありませぬ。
平に平にご容赦……
土下座でも何でもしますので(腹の肉がつかえますけどね)
どうかこの話をなんとかしてやってください、なのである。
というか、編集担当様がいなければ即死。
編集担当様についていただける商業物書きになって
本当によかった、と思う瞬間である。

ということで年内最終原稿、脱稿という名の下駄預け完了。
このあと削って足して整えて……という作業が始まるし
初稿の出来からしても先行きはとても暗いが脱稿は脱稿。
あとは来年頑張ることにして、秋川は主婦に復帰~
と思った、あと一本小話を書かなければならなかった……orz
ううむ、今年の秋川家の大掃除はいかに??




人気ブログランキングへ



病院で風邪を引く [日常]

病院に行って病気になるとは。

いわゆる『特定健康診査』という奴を受けてみようと思った。
なにを隠そう秋川、歯医者が呆れかえるほどの反射の持ち主。
喉の奥になにかを入れられると嘔吐きまくりむせまくりで
毎度毎度、ドクター大奮闘。
型取りのための樹脂(?)を固めに練って短時間で終わるようにしたり
隣りにはりついて、『はい、秋川さん、鼻から息をして~』
『あと一分ですよ~』なんて励ましまくったり、それはそれは大変。
そんな私にとって、バリウムを飲むなんて自殺に等しい暴挙。
それぐらいなら胃カメラの方がマシだ! と胃腸科に突撃するほどなのだ。
従って、一般的な健康診断というものは十年以上受けておらず
先般、とうとうかかりつけ医に叱られた。
というか、コレステロール等の血液検査は特定健康診査に含まれるから
それを使えばただでできますよ~とアナウンスされたのだ。
要するに、朝飯抜いて受診券をもってきやがれ、ということである。

そんなわけで、特定健診のために病院に出かけた私が見たのは
患者で溢れかえる朝の待合室だった……orz
普段なら午前中に医者になんて行かない。
混み合っているのはわかっているし、朝から病院に来るのは
待合室を社交の場にしている一部お年寄りと
仕事を休んでまで病院に来なければならないほどの重篤患者。
つまり、待合室はまごうことなき風邪引きさんでいっぱいだったのだ。

うわあ……やばい……

そうは思いましたよ。
あわててマスクだってしたし、呼吸すら浅く、回数だって控えた。
でも、そんなもので対抗できるような状態じゃなかったんですねえ……
身長、体重血圧、内診、問診、採血……
それらをご機嫌良くこなし、帰宅してから二日後
夕方から寒気を感じ、あれよあれよという間に体温計は38度を超えた。
インフルエンザでもないのにこんな高熱が出せるなんて
さすが半年以上ジムに通って体力を付けただけのことはある……

じゃ、ねえよ!!

どうするんだ、仕事は~!!!

思わず冷や汗がたらり、たらり、それでも熱は一向に下がらない。
これはもう仕方がない、出来ぬものは出来ぬと諦めて闘病生活突入。
あいにくその翌日は休診日で病院にも行けず
これがインフルエンザだったらタミフルの有効期限も切れて大変だなー
とは思ったけれど、あのインフルエンザ特有の節々の痛さはなく
どう考えてもただの風邪
その証拠に、翌朝には37度台まで熱は下がっていた。

だがしかし、そこからが長かった。

熱が下がった代わりに頭痛が起き、頭痛が去ったと思えばすごい咳。
そういえば、病院に『呼吸は大丈夫か?』と心配になるほどすごい咳の人がいたが
それとまったく同じ症状。
ううむ……私がもらったのはあの人の風邪か! と恨んでみても時既に遅すぎ。
丸一週間経った今でも、けふけふけほけほげふんげふんのごほんごほん、なのだ。

それでも具合が悪いから仕事が出来ぬ、とは言えないのが物書きの辛さ。
書けない物書きは、ただの社会不適合者だ。
電話は無理でもメールや原稿は打てる。
というわけで、細々と仕事は続けるもペースは落ちまくり……
遅れに遅れた原稿、年末までに上がるかな? と頭を抱えている。

どちら様も、健康診断受診のタイミングにはお気を付けあれ。
くれぐれも、期限が切れそうだからといって風邪大流行のシーズンに
朝っぱらから病院に行くことになりませんように……



人気ブログランキングへ









なんと呼びますか? [日常]

そこで使ってる名称が基本かなあ……

場所によって呼び名が変わるものがある。
いつだったかの居酒屋話にも書いたけれど
出世魚の呼び方などわりと地域性が高い。
ブリの小さめの奴(笑)をなんと呼ぶかで
その人の出身が西なのか東なのかわかったりして面白いし
ネタとしても十分使える。

だが、本当のところ、こういう場所によって名前が変わるものを
地の文として(登場人物の発言以外)書く場合
どこの呼び方を記すべきなのだろう……
てなことを考えたのにはわけがある。

実は現在執筆中の原稿に、とある名称を使った。
ところが担当編集さんはその名称を知らなかったらしく
お利口さんな箱に訊ねたらしい。
その結果、「ああ、あれのことですか」となったのだが
この場合、やはり私が使った名称を改めるべきだろうか……

私自身、その「もの」の呼び方が複数あることは知っていたし
私が使った名称が一般的ではないかもしれないとも思っていた。
それでも登場人物が動き回っている場所を考えたら
その名称が使われているのではないか、と思ったのである。
だがしかし、編集担当さんがその名称を知らないということは
世の方々の半分ぐらいは知らないのではないか。
『考えずに読める』だけが売りの拙作で、そんなひっかかりを
作ってしまっていいのだろうか……ううむ……
などと悩んでしまったのである。

ちなみに問題の品はこちら。

oobanyaki.jpg


全国、至る所で売られているけれど呼ばれ方は様々。
一番使用頻度が高い名称を使おうと思うのだけどさてさて……
(商品名は基本的に使えないので、兵庫を中心に使われているGは除外)




人気ブログランキングへ

四周年 [日常]

おかげさまでなんとか……

まずは日頃から私の書いたものを読んでくださる方々
刊行にあたり様々なご助力をくださっている方々に
深い感謝を捧げるとともに、皆様のご多幸をお祈りいたします。


4年前の本日、『いい加減な夜食』が刊行された。
以下はそれ以後、私が書き殴ったものである。
(もう知ってる! と言われそうだが、防備録として……汗)


2012年  

  いい加減な夜食

2013年

  いい加減な夜食 2
     〃    3
  ありふれたチョコレート

2014年

  ありふれたチョコレート2
  いい加減な夜食外伝
  居酒屋ぼったくり
     〃   2

2015年
  
  居酒屋ぼったくり 3
    〃     4
  放課後の厨房男子
  幸腹な百貨店 
  いい加減な夜食    文庫  1
     〃          2
     〃          3
     〃          外伝
  ありふれたチョコレート 文庫  1
  
2016年

  いい加減な夜食  4
  居酒屋ぼったくり 5
     〃    6
  放課後の厨房男子 進路編  10月28日刊行予定
  メシマズ狂想曲        11月15日刊行予定
  ありふれたチョコレート 文庫  2


 正確には、2冊ほどはまだ刊行していないが、脱稿しているということで入れておいた。
 (コミカライズ作品については、原作者にすぎないのでノーカウント


にしても……いっぱいあるな。(爆)
 
思い返せば……デビューした直後だったかに、編集担当さんに言われた
「秋川さん、来年は3冊出しましょう! 出来れば4冊!」
 
……めちゃくちゃ温い笑いがわいた。

昨日までお気楽専業主婦だった奴に、無茶言ってんじゃねえよ! 

ところが、その編集担当さんは有言実行の人だったらしく
その年は本当に3冊出したし、さらに翌年は4冊の本が刊行された。

えーっと……この世には口だけって人が山ほどいて、みんなしれっと生きてるのですから
そんなに忠実に守る必要なんてありませんのよ、おほほほほーーー!

と高笑いで走り去りたくなった。
ってか、今も隙あらば走り去ってやろうと思っている。

正直、あなたはさー某社において目茶苦茶偉い人(のはず)なんだから
いつまでも泡沫物書きにちょっかい出してないで、会社の行く末とか真剣にだなあ……
と思ったりもする。
でもまあ、じゃあ担当チェンジ、と言われても大変困ってしまうので
ここはひとつ、大人しく薄ら笑いを浮かべておくことにする。
だが、現状手一杯、これ以上は無理っす!!!
新作とか言われても……
えーっと、新作ね、新作、時間ができ次第、なんとか……(←どあほ)

という感じの秋川滝美ライフ
年3冊でもギャーギャー言っていたのに、ふと見たら、今年は5冊刊行
なにやってんだ、秋川。
もう年齢的に言っても量より質だ。
もっと一行一行、大事に書け! タイムトラベラーは引退しろ!
とか、叱られる前に逃げ出したい。
(要するに、いつだって逃げ出したいのですな)

とはいえ、本人の予想と能力を超えた数の作品が
どっかどっかと出て行き、おかげさまで物書きとして五年目に突入。
幸いあと二年ぐらいは仕事をいただけそうなので
頓死しない限り七周年に向けてじりじりと忍び寄ることになりそうだ。
(書いたものが全部出るとは限らないけど、23冊が全部絶版にならない限り
物書きを名乗ることはできる……はずだ)

ということで、秋川滝美、皆様に支えられ、鍛えられつつ五年目突入。
以下の3作、webサイト等で予約&販売開始されております。
ご興味のある方は、よろしくお願いいたします。


厨房男子2.jpg


夜食2漫画.jpg


28067061_1.png





人気ブログランキングへ

 


 

減量作戦 [日常]

物書きになって得たものは?

なんだかどこかの雑誌の取材のような質問だが
これに対する答えは実に明確だ。
私が商業物書きになってから、かれこれ四年が過ぎた。
その四年の中で得た最大のものは
こともあろうに『体重』だった。

ただ楽しみでのたりくたりと物語を綴っていたときは
朝起きて一通り家事をこなして
ベッドに潜り込んでパソコンを膝にのせ適当に文字を叩きはじめた。
(我ながら、この『ベッドに潜り込んで』というのはあまりにも珍しい
執筆スタイルだと思うが、ここでは不問)
そのままぱたぱたと数時間書き散らかして少々昼寝。
これは25時就寝、5時半起床を余儀なくされる主婦生活の中で
やむなき補填だった。
そして夕闇が迫るころ、私はエコバッグを肩に外に出て行く。
日々の買い物と健康を保つためのウォーキングをかねて
1時間半ほどの外出、歩行距離にして1万歩前後である。
それなりに忙しかったし、眠かったし、疲れてもいたけれど
そこそこ健康……のつもりで暮らしていたのだ。

ところが……!

『いい加減な夜食』を上梓した後、私の生活はがらりと変わった。
とにかく時間がなくてウォーキングはおろか、買い物すら満足にできない。
ああもうこんな時間だ! と慌てまくり、車でばびゅーんとスーパーへ。
底値を求めてはしごすることもかなわず、目に付いた食材をカゴに。
(この場合、目に付いた=割引シール貼付でOK)
焼けばいいだけの肉、並べれば良いだけの刺身……
時には総菜で済ますこともあり、その頻度は徐々に増えいていった。
運動不足とカロリーの過剰摂取で体重計の数字はみるみる育っていった。
体重計の数字の桁が変わって青ざめたのは今年の春のことだ。

これはまずい……このままでは肥満死(造語)する。

でも呑気に二時間近く歩き回るほどのゆとりはない。
おまけに私の足は(正確にはアキレス腱)かつての酷使によって
変形した骨に痛めつけられて炎症を起こしっぱなし。
二時間どころか数十分の歩行すら怪しい。
それでも『なにか』をしなければ現在手を付けたままのシリーズが
終わるまで生きていられない……(めっちゃ大袈裟)

減量だ、減量!! 痩せろ秋川!!
せめてデビュー前の体重に戻せ!(自分に甘すぎ)

かくして本やら雑誌やらインターネットやら調べまくり
結局辿り着いたのは「プールに行こう!」だった。
とはいってもお値打ちな市民プールは我が家からいささか遠く
車で行くしかない上に駐車場は有料。
いくら使用料が安くても一回につき千円近い駐車料金は辛すぎる。
どうしようかな……と迷っている私の目に飛び込んできたのは
フィットネスクラブのキャンペーンチラシ。
一番お値打ちなコースは月額6千円程度。
年中温水のプールがあって家から車で数分、しかも駐車料金はかからない。
なるほどジムというのは機械に乗ってあれこれするだけじゃないのね……
プールがあって、なんとお風呂もある……
でもって……え!?

『3月31日までにご入会申し込みされた方は月会費二ヶ月間無料!』

無料という言葉に何より弱い私。
カレンダーの日付を確かめるとまさに3月31日。
迷ってる暇なんてなーーい!
てな具合で、腐れ物書き、フィットネスジム入会。
新年度より水中ウォーキングを開始した。
(実際に通い始めたのは4月3日から)
ただ、その時点であまり期待はしていなかった。

だってねえ……水の中をばちゃばちゃ歩くだけで
すいすい痩せたら苦労はない。
それよりなにより水中に生きる動物(特に哺乳類)は
軒並みずんぐりむっくりではないか!

それでも増え続ける体重とコレステロールと血圧の数字は
私のみならず家族をも不安に巻き込み、待ったなしの状況。
とにかく、半年、半年頑張ってみよう。
そんな情けない決意で半年ジムに通い続けた。
一日一時間、休館日を除いて毎日。
雨でも嵐でも台風でも雷でも屋内プールには関係ない。
我ながら、ちょっと『逝っちゃってる』ぐらい
水の中を移動しつづけた。
痩せる云々よりも水に入るって癒やされる~の一言だった。

結果……米一袋減(何キロ入りかは特に秘す)

はい、デビュー当時の体重よりもちょっとだけ軽い、ぐらいになりました。
もしかしたら加齢によるやつれを入れたら今のほうが細いかも。
(当社比ですから、あくまでも。体重の絶対値は依然として『女子にあるまじき』です)

ただ惜しむべきは、物書きになってからあまり他人に会っていなかったこと。
体重が激増したことも、それを半年でふるい落としたことにも気付かれない。
いばりんぼの私としては残念無念すぎる。
せめてブログで威張ってやろう! とこの記事を書いている……
わけではない(笑)
不肖秋川、昨今大変忙しい。
家庭内も問題なしとはお世辞にも言えない状況。
仕事関係、友人、親戚まで含めて
もしかして秋川「心労」のあまり、あるいは「不治の病」で痩せたのでは?
なんて心配をいただかないために表明しているだけである。

秋川滝美、純然たる『減量作戦』により痩せました。
心労で痩せるタイプじゃないし(むしろ太る
これといった病気もありません。
どちらさまも、ご心配なく。
リアル秋川を目にして、あれ?と思われた方は
存分に『痩せましたねえええええ!』ってびっくりして
ついでにちょっとぐらい褒めて。(本音)



【追記】

居酒屋ぼったくり 番外編 『ウワバミたちの女子会』 アルファポリスさんのサイトにて再公開しました。

この話は元々他作品とコラボしまくったお遊び作品だったため、さすがに書籍には収録できず
かといってこのまま消してしまうのも寂しい(私が)ということで、アルファポリスさんのサイトを
お借りして再公開と致しました。
すでにご覧の方はたくさんいらっしゃるでしょうけれど、まあこんな話もあったなーと
懐かしんでいただけると幸いです。




人気ブログランキングへ

















『放課後の厨房男子』増刷御礼 [小説のこと]

是非とも広く伝えて! だそうだ。

あっちこっちの版元さんでお世話になっていると
各社のカラーというのが窺えて面白い。
基本、原稿を書いて渡すという作業に違いはないのだが
その過程あるいはその後において『作法』が違うのである。
ぶっちゃけ、改稿をどこまでやらせてどこから校正で直すか、
などというさじ加減は版元というよりも担当者さん自身の色だろう。
かれこれ4年物書きをやらせていただいているが
改稿から校正に移るタイミングが年々早くなってきて
ああこれは『この程度なら校正でOK」と思われる程度には
とんでもないポカをやらかす率が減ってきたのだなーなんて
ひとりでにまにまと気味の悪い笑みを浮かべている。
でもこれ、実際は『秋川は言っても聞かん』が周知しただけかも……
いや、そういう話ではなかった(書いてから言うな!)

版元さんによって色々違う、という件。
校了、責了、脱稿などいう言葉の使い方
契約書を交わす時期、支払いが発生するまでの期間
著者校で使うペンの色まで異なる。
(これは実は非常に驚いた。著者というのは赤で校正するものだと
ばかり思っていたがそうではないところもあった)
そんな中、一番面白いのは(正確には面白がっていられるのは)
告知タイミングではないかと私は思っている。
刊行が決まってそれを皆様にお知らせするタイミング。
某社はとんでもなく辛くて、どんなものを書いていても
版元が告知を終えないと、書き手は呟くことすら躊躇われる。
某社はわりと甘くて、校正に入ったぐらいのタイミングなら
「やっておしまい!」(こうは言わない)
某社はもっと甘くて、なんでもいいから触れ回れ……
(実際、ここまではない……汗)
某社は……もういい!

とまあこんな具合である。
これは刊行だけでなく増刷などの場合も似たような感じ。
で、増刷のご連絡をいただいたあと、これは言っていいの?悪いの?
なんて悩んだりもするのだ。
なので、今回『増刷決まりましたー!』と連絡をいただいたとき
ストレートに訊ねた。
その答えが、冒頭一文である。
聞きたがり、言いがりの私には秘密は大変重い。
デビューの時など、決まってから告知までの間に
原稿そのものよりも秘密厳守のために胃に穴があきそうだった。
そんな私にとって、「言ってもいいわよん」はとてもありがたい話。

ということで、盛大(でもない)に威張ってみる。

放課後の厨房男子」増刷となりました!!!

ひとえに手にとってくださった方のおかげと感謝しております。
続刊刊行のどさくさでも、どこかの書店の倉庫の片隅に
箱に入ったままの『放課後の厨房男子』が三千部ぐらい積まれていても
知ったことではありませぬ、とにかく秋川大喜び。
皆様、本当にありがとうございました!!!!

ちなみに続刊「放課後の厨房男子 進路編」は10月27日刊行予定。
男子校の調理実習室に巣くう万年腹へり男子が頑張る話です。
進路、恋、家庭の事情……あれこれ悩みは多いけれど
ちっとも重大に思えてこないのは秋川のカラーだとご勘弁ください。
前巻をお読みいただいた方がおそらく気にしていただいたであろう
部長渾身のコンテスト優勝弁当も再現されます。
通販サイトで予約も始まっておりますので
どんな感じかなーだけでもいいので覗いてやってくださいませ。




人気ブログランキングへ





絵の怖さ&刊行予告 [小説のこと]

絵は難しい。


9月から10月にかけて、秋川原作のcomicが二作刊行される。

   comics『いい加減な夜食2』 善内美景   アルファポリス
   comics『居酒屋ぼったくり1』  しわすだ   アルファポリス


私は基本的に、コミカライズ作品に関しては、それぞれの漫画家さんと漫画編集部さんに
丸投げで、どうぞ好きにお描きください、というスタンスを取っている。
漫画と小説は別物で、漫画に関しては漫画家さんの作品だ。
そもそも夜食にしてもぼったくりにしても漫画と小説では視点が違いすぎる。
漫画家さん達は私が思いもかけないエピソードを選んで
それはそれは面白くストーリーを作り上げてくださる。
正直『そこをそう切ったか! うぐぐぐーやられたー! きー! くやしい!!』などと
もんどり打ってばかりいるのだ。
こういう感情が沸くこと自体、自分の作品とは切り離している証拠だと思う。
あまつさえ、あまりの面白すぎて、意外すぎて、
もう最初からこの方々にオリジナルで描いてもらった方が良かったんじゃ……などと
壁を向いていじいじしまくっているのだ。

それでも原作者として名が載る以上、最終チェックを避けて通るわけにはいかない
……らしい。
やむなく、ネームやら組版やらを拝見して、ちまちまと重箱の隅つつきのような
コメントを差し上げるのだが、これも実際は、なんにもいわずにOK出してしまうと
「さては秋川、見てないな?」と思われかねないという姑息な考えによるもので
実際に『いや、そこはやっぱり……』なんて押し返されれば、
「あ、いいっすよ。言ってみただけっす」などとあっさり撤回する。
そんなこんなで刊行準備が進んでいくのであるが
今回はほんとうにコミカライズの怖さを思い知った。

とか書くと、「すわ、トラブル発生か!?」と興味津々になる方もいらっしゃるだろうが
すみません、そういうことではありませぬ。
実は、とある作品の中にワイングラスを持つシーンが出てくるのだが
このグラスの持ち方で文字と絵の違いを痛感させられたのである。

例えば、文字であれば『秋川はワングラスを持った』と書けば済むが
絵(漫画)の場合、『グラスの持ち方』自体を描かねばならない。
つまり秋川のふっとい指がグラスのどの部分にかけられ、どのように支えているか……
それを、きっちりはっきり描き出さねばならないのだ。

これは怖い……てか、大変。

一切のごまかしが利かない。

今回刊行される作品の中にもワイングラスを持つシーンが出てくる。
ネームチェックのときも、組版も、webにUPされたときすらも
うん、OK、とすんなり通したシーンだった。
それどころか、ワインに体温を伝えないように柄を持つ描写に
「すごいな、ちゃんと描いてくださってる」なんて感嘆していたのだ。
ところが、他の原稿を書くために調べ物をしているときに
そのグラスの持ち方が実は日本独自のものだと知ってしまった。
海外ではワイングラスの柄を持つことはなく
名だたるセレブ達はみんなしてグラス本体(ボトル)部分を持っている。
(いわゆるマフィアのブランデーグラス持ちですな)
そして、それこそが『正当な』ワイングラスの持ち方で
柄を持ってカンパーイなんてやるのは日本人ぐらいなものだというのだ。

いやーびっくりした。
井の中の蛙、井戸水で溺死、である。

速攻で漫画の編集担当さんに電話をして
「ど、ど、ど、どー-します?」と訴えた。
日本式と海外方式(正当派)どっちにするか
しばらく討論(実際は、ふたりして驚きまくっただけ)し
元のまま、日本式で行くことにした。
どっちを描いてもご指摘を受けかねない。
日本式で描けば、正当派を御存知の方は違和感を覚えるだろうし
正当派で描けば、日本式しか御存知ない方は首を傾げるはずだ。
それならば、ここは日本なんだし日本式でいいじゃないか……
と開き直ったわけである。
(微妙に数の原理なんて言葉がちらついた)

そんなやりとりをしながら
私はずっと「漫画怖い、漫画怖い、絵って怖い~!!」と
思い続けていた。
文章ならいくらでもごまかせる。
でも、絵はそうはいかない。
これではイラストレーターさんを始め、絵を描く方々から
いろんな問い合わせが来るのは当然である。
適当にーですませていい問題ではなかった……
これまで秋川関連の絵を描いてくださった全てのイラストレーターさん
漫画家さん、本当にごめんなさい。
以後、もっと真剣に考えてお答えいたします!

ということで、今後とも秋川は絵画分野への進出を目指すことなく
ほそぼそと曖昧な文章を書き続けることを決意する次第である。



**************************


【刊行予告】

 誠に申し訳ありませんが、三ヶ月連続刊行となります。

   
   9月30日  『居酒屋ぼったくり6』       アルファポリス
   10月30日  『放課後の厨房男子 進路編』   幻冬舎
   11月下旬  タイトル未定(初校終了済)     S

【年内脱稿予定】

   9 月末(希望的観測) 居酒屋話 A社
   12月末(熱望的観測) 百貨店話 K社

【鬼が笑う話】

   AGKBK……のうちの四つ、できれば三つぐらい……で勘弁していただきたい(涙)


*******************************

 以上、秋川の現状、及びブログがまともに更新されない訳(=キャパオーバー)でした!

 とっぴんぱらりのぷう。





人気ブログランキングへ

書くことの勧め [日常]

書くことしかできなかった。

彼はひどく落ち着かない家庭に育った。
詳細は省くが、とにかく落ち着かない、子どもが安らげない家庭だ。
学校にいる時間だけが、彼にとって安らぎだった。
長い休みが来ると、うんざりを通り越して絶望に近い感情を抱いた。
そしてある日、学校すら安らぎの場ではなくなった。
全身から滲み出る卑屈さ故か、はたまたただの偶然か……
彼に対するいじめが始まったのだ。
それでも彼は学校に行くことをやめなかった。
なぜなら学校には授業があり、その間だけは自分の世界に居られたから。

当時はまだ教師と生徒の力関係ははっきりしていて
教師の前で明確ないじめをおこなう生徒はいなかった。
だから彼は授業中、ひたすらノートに想いを綴った。
最初は誰かへの恨み辛みだった。
こんなことを言われた、こんなことをされた、
辛い、悲しい、悔しい……そしてなぜ。
学校の中、あるいは外の世界、自分を取り囲む理不尽に対し
ただひたすらに書き殴った。
最初は短い文章だったものが、日を追うごとに長くなり
やがて物語へと変化していった。
彼はノートの中に新たな世界を構築した。

物語の中ではなんにでもなれる。
いじめの加害者を悪役に見立て、徹底的にやり込める。
こうであってほしいと願う主人公に自分を投影して大活躍させる。
すべて筆一本、書いたもの勝ちの世界だ。
誰かに見せるつもりもなく、見せられるわけもなく……
そうやって彼は幾十、幾百もの物語を紡いだ。
逃げ場はノートの中にあった。
ノートの中にしかなかった。
だから彼は書き続けた。
来る日も、来る日も、授業中も、休み時間もただひたすら書き殴った。
鉛筆を握れない状況の時は頭の中で物語を考え続けた。
とりたてて書きたいことがあったわけじゃない
それでも書き続けたのは、そうすることでしか
現実から逃れる方法がなかったからだ。

学業を終えたあとも、いろいろなことが起こった。
徐々に徐々に幸せが占める割合が増えていったけれど
それでも過去から伸びる手が根絶できたわけでない。
日々が幸福に満たされれば満たされるほど
思い出したように伸びてくる手の黒さが増した。
彼はその全てを書くことによって昇華していった。
ノートと鉛筆がワープロの時代を経てパソコンへと変わっても
彼の生活から『書くこと』が消えることはなかった。

そして彼は物書きになった。
ご想像どおり、私である。
良い人ばっかりしか出てこない、ご都合主義で軽くて呑気な物語は
幾百、幾千もの呪いの言葉のあと、ようやく作り上げた場所である。
現実にはあり得ないとわかっていても
こんな世界に生まれたかったという憧れの場所。
それを我が手で描くことで私は今日を長らえている。
あの暗かった時代、こんな風に世界を作る術を磨かなかったら
秋川滝美はこの世にいなかったのかもしれない。

学校以外は辛い場所だった。
学校すらも辛い場所だった時期もある。
それでもなんとか生きてきた。
その手段が書くことだった。

夏休み明けは子どもの自殺が急増する時期である――
ここ二、三日そんな報道が目に付く。
学校に行かなければならない
それがあまりにも辛くて、苦しくて死を選んでしまうのだと……
新聞には主にいじめに起因する子どもの場合が書かれていたが
それ以外の理由で学校に行きたくない子どもだっているだろう。
大人にだって辛いことがたくさんある。
子どもほど心が繊細じゃないにしても辛いと感じることはたくさんある。

辛いと感じたとき、やりきれなくて、生きているのが嫌になったとき
どうか、その想いを綴ってみてほしい。
巧拙なんて関係ない。
あいつキライ、だけでもいい、とにかく文字にしてみて欲しい。
文字の連なりは言葉を作り、いつか文章となる。
書くことで整理され、昇華されていく想いはきっとある。
五年、十年、十五年と生きていくうちには様々なことに出会う。
文章を書くことに抵抗がなければ、そんな出来事を文字に映すことができる。
もう一歩も歩けない、進めないと思っていても
いつの間にか高い山に登ってしまっている自分に気付ける日が来るかもしれない。

ただ、それにあたって、ひとつだけ心に留めて置いて欲しいことがある。
もしも、もしも物語が生まれそうになったときは
どうか投げ出さず、最後まで書いて欲しい。
想いなら書き殴りでもいい。
でも物語を作り始めたら、登場人物を投げ出さないでほしい。
冒険であれ、恋であれ、人生であれ、とにかくどこかに辿りつくように
きちんとEndマークを打ってやってほしい。
道に迷っているあなたなら、どこにも辿り着かない辛さがわかるはずだ。
登場人物にそんな想いを強いてはいけない。
それはその世界を作った者の責任だ。
そして何よりも、もしかたら、ひとつの世界を作り、それを閉じた瞬間
生きている意味がうっすら見えるかもしれないから……



人気ブログランキングへ











自信なんて持てない [日常]

不知を知る。

私が書く話の登場人物、特にヒロインについて
「こんなに能力が高いのにこの自信のなさはおかしい」
と言われることがある。
不思議を通り越して嫌みですらある、とも……
私は、そんな意見を拝聴する度に
そういうものかなあ……と首を傾げていた。

能力があるすなわち自信があるというのは
ただの思い込みじゃないのか?
というよりも、能力が高ければ高いほど
自信なんて持てなくなると思う。
実るほど頭を垂れる稲穂かな、という言葉があるが
あれは意識的に謙虚になっているのではなく
どうしてもそうなってしまうのではないか。

だって、能力があるということは
もともとものすごく才能に恵まれている場合を除いて
かなり真摯な努力の積み重ねの結果だろう。
そしてそんな努力の過程で必ず出会うのが
自分よりも優れた人々である。
あの人にはどうやっても敵わない……
その世界を知れば知るほど、そんな存在が増えていく。
もちろん、自分についても、どこかで誰かが
そんな風に思っている可能性は無きにしも非ずだが
たいていの場合、そんなことに気づきはしないのだ。

追いつけ追い越せならまだしも
追っても追っても追いつけない相手ばかりを見ていれば
自信なんて湧いてくるわけがない。
ああ、どうしてこうも駄目なんだ私は!
と我が頭をぽかぽか殴りつけたくなる。

ひとつの知識を得れば
その向こうにある知識が見えてくる。
ひとつの技術を得れば
それを使ってなすべきことが見えてくる。
道は果てしなく続き、ゴールは決して見えない。

ということで、私が作り出すキャラたちは
常に自分に自信がなく、足下ばっかり見つめている。
世の中には、そういう人間、リアルでもけっこういるはずなんだけどなあ
と、思いつつ、本日もぱたぱたと執筆している次第である。



人気ブログランキングへ



人生のご褒美 [日常]

変わらないね、よりも嬉しい言葉。

一泊二日で郷里に帰り、懐かしい人々との再会を果たした。
なんて書くと、ちょっとかっこいいけれど要するに同窓会
実は私が卒業した高校は大変卒業生の多い学校で
人生において二回ほどしか幹事が回ってこない。
一回目は副幹事で、それから干支一回りで本幹事。
その本幹事年を来年に控えて、今年、私たちの学年は
様子伺いをかねたご挨拶に当たっていた。
郷里にない人間にできることなどほとんどないけれど
それでもみんなに会いたくておめおめと参上。
楽しすぎる時を過ごさせていただいた。

同窓会で一番良く飛び交う言葉は
「変わらないね」ではないかと思う。
今回も、「秋川って本当に変わってない!」と
たくさんの人から言われ、えへへ……なんて笑った。
そんな中、ふたりの人から、
「変わったね」という言葉をいただいた。
ひとりは同級生で、高校生時代には全く交流がなかった人。
その人に言わせると、当時の私はとてもとんがってみえたそうだ。
ストレートに言えば『怖いタイプ』で、とてもお話ししたい相手ではなかった。
でも、何十年もの時を経て、再会して言葉を交わしてみると
なんだかとても良い感じ、だと言う。
大人になって、丸くなったんだねえ……なんてにっこり笑って宣った。
まあ、相当きこしめしていたから、どこまで本気かわからないけれど
たぶんあれは褒められていたのだろう。

そしてもうひとり。
これはもう、私が高校時代から信望してやまない先輩。
この人について語り出すと、私は本一冊ぐらい書いてしまいかねないので
この際それは省略するが、とにかくその人から、
「君が昔からいろいろ書いていたことは知っていた。でもそれは決して
こんな文章じゃなかった。もっと独りよがりで中二病的なものだった。
けれどこれは全然違う。文章が成長するなんて思ってもみなかった」
と言われた。
実は、その方はとても多忙な方で、すでに実家も地元になく
まさか今回参加されるとは思ってもいなかった。
会場で声をかけられ、絶句のあと絶叫に変わったほどだ。
そして直ちに、鞄の中にあった拙作を進呈。
シリーズ物の途中巻という先輩に進呈するには相応しくないものだったが
とにかく、その方に今の私を伝えたくて押しつけてしまった。
先述の言葉は、それを読んでの感想だった。

渡された本をその場で読んでくださった。
それだけでも十分嬉しかったのに
その文章とかつての私の文章の比較まで……
それができるほど、昔の私の文章を覚えていてくださったのだと
涙が出るほど嬉しかった。

この人に認められたい、と思いながらも諦めていた。
確固たる信念を抱き、困難な目に遭ってもへこたれない。
それでいて、下げるべきところではきちんと頭を下げられる人。
私はこれまで出会った中に、そんなひとはごくわずかだ。
ひとりは執念でしがみつき、まんまと夫にしてしまったが
難を逃れたもうひとりは世界規模で走りっぱなし、
遠く離れたところからそっと窺うことだけしかできなかった。
そんな方からいただいた言葉は、昔と違う私を褒めるものだった。

『変わらないね』というのは私にとって褒め言葉だ。
これはもう間違いない。
けれど『変わった。しかも良くなった』と言われること
しかも認めて欲しくて仕方がない相手から言われることは
これまでの人生に対する大きなご褒美だと思う。
『変わった』ことを喜び、褒めてくださる方々のためにも
これからも努力を重ね、新たな自分を作っていきたいと思う。
そしていつか、私自身が、誰かにとっての「認められたい相手」になりたい。
道は相当険しそうだけど、志だけは捨てまいと思う次第である。



人気ブログランキングへ